東方久交承 ~ Rainbow Ashes, Smoke and……


STORY

流れ込む黒煙、灰を含んで濁った雨。

人里では大きな被害が生まれ、自然に根差す妖精はめっきり姿を見せなくなった。

灰と煙に包まれた幻想郷は今、鈍色に輝き始める!


STAGE 1 煙ただよう時雨 ~ Smoky Cold Rain

ー魔法の森上空(未踏域)ー

「煙で服が汚れるわねぇ。さっさと煙を止めさせないと」

「それはさせないよ、博麗の巫女!」

「元気が良いわね、だけどあんたに構ってるほど暇じゃないのよ」

「私は暇! イクゾー!!」

「ぐぇ」

「舐められたものね、はした妖怪に後れをとるわけないじゃない」

「煙の力を借りても勝てないなんて」

「馬鹿と煙は高いところへ…… ってこういうことなのねぇ」


STAGE 2 出入り自由の足地 ~ Into Forbidden Territory

ー道祖封地外縁ー

「は~い、そこで止まって。ここから先は私の土地よ」

「そう、それで?」

「怪しい人間は通せないわ、検問ってやつよ」

「貴方の方がよっぽど怪しい、ここで検めさせてもらうわ!」

「中々良い腕してるわね、合格よ!」

「なに、上から急に」

「その腕を見込んであの街をなんとかしてもらいたいのよ」

「元々そのつもり、あんたが邪魔してきただけ」

「そうだったかしら? でもそれはありがたいわね。街の門はここをまっすぐよ、よろしくね」

「どうも(別に塀を飛び越えてもいいのだけど)」


STAGE 3 気世界への隘路 ~ Road to the Ashmetropolis

ー木々の歪む樹海ー

「まっすぐって言ってたのにグネグネグネグネ、大変だったわね」

「こんな場所までご苦労さん、それじゃお帰りはあちらです」

「こんな場所までくるお客さんよ? 用件くらい聞いてくれても良いんじゃないの?
 この煙けっこう迷惑してるんだけど止めてくれないかしら」

「私は一介の門番だからね、煙のことはよく分からないな」

「なるほど、応じる気はないってことね」

「ここまで来るだけあって察しが良いね。
 ――よし、改めまして。私は門番の金雀枝! 主の命によりここから先は何人たりとも通さん!」

「あ~、強すぎる」

「いい運動にはなったかしら、森の空間を歪めていたのもあんただったのね」

「そりゃどうも、一応魔法使いだからね」

「それで、煙は止めてもらえないのかしら?」

「煙はほんとに分からないっす……」

「あ、ごめん。
 ……じゃ、入らせてもらうわ」